ドローンを利用したニホンザルの追い払い支援ロボットの開発

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ドローンを利用したニホンザルの追い払い支援ロボットの開発
平成28年度「神奈川版オープンイノベーション」開発プロジェクトにて、明光電子がプロジェクト幹事を務める「ドローンを利用したニホンザルの追い払い支援ロボットの開発」が採択されました。 このプロジェクトを、TBSテレビ放送番組「あさチャン!」にて取り上げていただくことになりました。詳細が決まり次第発表させていただきます。 プロジェクトに関する詳細は、下記をご覧ください。

ドローンを利用したニホンザルの追い払い支援ロボットの開発

目次
  • 背景
  • 開発事業者
  • 追い払いの現状・課題に対する施策
  • 開発するロボットの概要
  • 今後のスケジュール

背景

野生鳥獣による農作物被害の概況
  • 野生鳥獣による農作物被害額は、近年、200億円前後で推移している状況。被害のうち、全体の7割がシカ、イノシシ、サルによるもの。特に、シカ、イノシシの被害の増加が顕著。
  • さらに、鳥獣被害は営農意欲の減退、耕作放棄地の増加等をもたらし、被害額として数字に現れる以上に農山漁村に深刻な影響。
  • 鳥獣被害が深刻化している要因としては、鳥獣の生息域の拡大、狩猟による捕獲圧の低下、耕作放棄地の増加等が考えられる。
農作物被害額の推移※「鳥獣被害の現状と対策」平成28年1月 農林水産省 から引用

神奈川県における被害(平成26年度) 「野生鳥獣による農作物被害調査結果」

被害額合計:約1.89億円
鳥類:約0.59億円
獣類:約1.30億円(イノシシ:0.51億円、サル:0.25億円、シカ:0.22億円)

開発事業者

プロジェクト幹事会社:明光電子株式会社(横浜市) プロジェクトメンバー:株式会社野生動物保護管理事務所(東京都町田市) 開発委託先:株式会社サーキットデザイン(長野県安曇野市)

追い払いの現状・課題に対する施策

追い払いの現状 現状の課題 ドローン型ロボットによる施策
大人数で徹底的に 追い払う ・常に十分な人数を確保するのは非現実的。 ・高齢化のため、徹底的に追い払うのが困難。 複数のドローン型ロボットが、サルの群れを囲い込むようにして追い払う。近隣の田畑に逃がさないように追尾する。
サルを目的地まで追い上げる ・山深くまで、追い上げを行うことができない。 サルにGPS首輪を装着させ、GPS情報と連動させ追尾し、山奥まで追い上げを行う。
サルが出たら、常に追い払う ・追い払いの道具を常備して行動することができない。 ・単身では、追い払い効果が薄い。 GPS首輪の情報から接近を通知後、ドローン型ロボットが出動、追い払う。サルの活動時間に合わせ、1日に数回パトロールする。
サルがどこにいるか把握する ・サルにGPS首輪を装着。 ・GPS情報を効果的に収集できていない。 サルにGPS首輪を装着し、GPS情報をドローン型ロボットが収集し、サルの位置を把握。
モンキードッグによる追い払い ・犬を訓練させるのに時間、手間がかかる。 ドローン型ロボットがモンキードッグの代わりに追い払うため、手間がかからない。

開発するロボットの概要

群れのサルにGPSを内蔵した首輪を取り付け、行動範囲をモニタリングする。 ドローン型ロボットが囲い込むようにサルを追い払う。 群れが移動しても追尾し、山まで誘導する。
ドローンを利用したニホンザルの追い払い支援ロボットの開発

今後のスケジュール

平成28年度 ドローン調査、追い払い仕様検討、 自立飛行(ハードウェア、ソフトウェア開発)、追い払い実験
平成29年度以降 複数ドローンの実証実験、製品化開発、市場調査

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